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2019-11

プラトン・アカデメイア「幾何学を知らぬ者、くぐるべからず」 - 2019.08.28 Wed

【アカデメイア】

もともとアカデメイアとは、古代ギリシアのアテナイ北西部郊外にあった神域であり、
そこにギュムナシオン(体育場)があった。
ギュムナシオンは古代ギリシアの公共の競技施設だが同時に社交の場でもあり、
哲学、文学、音楽の講義やディスカッションも行われ、公共図書館が併設されていた。
これが、アカデメイア=アカデミーの起源である。

後に起こるルネサンス期に、「プラトン・アカデミー」という
メディチ家による人文主義者の私的サークルがあるが、これも古代アカデメイアが由来だ。

古代ギリシア人は運動と教育と健康は深い関係があると考えており、
それに応じ、ギュムナシオンは次第に、教育部門、医学分野にも発展していく。
そのため、身体を鍛えようとする若者以外にも、
知的な人々もギュムナシオンに集まるようになった。

ちなみに、古代ギリシア時代の古代オリンピックにならい
近代オリンピックを提唱したピエール・ド・クーベルタン男爵はフリーメイソンである。

1894年国際オリンピック委員会(IOC)設立時のメンバーであった
アンプティル男爵は1890年にフリーメイソンリーに入会した。
初期IOCメンバーで初代イギリスオリンピック委員会会長のデスボロー男爵は、
1875年にフリーメイソンリーに入会した。(ウィキペディアより引用)



アテナイには、大きなギュムナシオンが3つあったとされ、
それぞれの場所には異なる神の像が捧げられていた。
そのギュムナシオンのひとつが、アカデメイアであり、
それがのちに「プラトン・アカデメイア」になる。

アカデメイアの他に、リュケイオンとキュノサルゲスもある。

リュケイオンはアテナイの東部郊外に所在し、アポロンを捧げ、
プラトンの弟子であった、アリストテレスと彼のパトロンであった
アレクサンドロス3世によってリュケイオン学園が開設された。(紀元前335年)

キュノサルゲスはアテナイの城壁の外に隣接し、ヘラクレスを捧げ、
キュニコス派のアンティステネスが講義をした場所と言われている。

そしてアカデメイアでは、ソクラテスが熱心に教え回っており、
その弟子であったプラトンが紀元前387年に学園を開設した。
また、初期のアカデメイアでは、算術、幾何学、天文学等を学んだ。

特に、幾何学は、感覚ではなく、思惟によって知ることを訓練するために
必須不可欠のものであるとの位置付けで、学校の入り口の門には
「幾何学を知らぬ者、くぐるべからず」との額が掲げられていたという。

プラトンは青年時代、レスラーだったということも興味深い。
プラトンという名前はレスリングの師から付けられた仇名であると言われている。

結局、ギュムナシオンはローマでは流行らず、東ローマ帝国皇帝ユスティニアヌス1世の
非キリスト教的学校の閉鎖政策によって、アカデメイアは529年にその歴史を閉じた。
「多神教」というところと「哲学」という部門が
軍事的に必要性が無かったと判断されたからであろう。(必要性というより邪魔)
そして、ギリシア哲学はヨーロッパでは忘れられていった。

西洋ではギリシア語の読み方がわかる人も減少する中、
皮肉にも、ギリシア哲学はイスラム圏へ伝播した。
(別の文明圏でいったん保存してもらったほうが賢明だったのであろう)

イスラム教アッバース朝のカリフたちはギリシア哲学の写本を収集して、
彼らの文脈の中でギリシア哲学を解釈し直した。
それが後の中世期のヨーロッパに伝播し、今度はアラビア語からラテン語への翻訳を通し、
中世哲学に多大な影響を与え、ギリシア哲学は復活した。
(ルネッサンス期)

さて、プラトンはアカデメイア学園を開設する前、40歳頃、
イタリア、シケリア島、エジプトを遍歴しています。
その時に、イタリアのシケリア島でピタゴラス学派に影響を受け
のちに、アカデメイア学園に算術、幾何学、天文学といった研究を取り入れました。
特に幾何学を重視しており、学校の入り口の門には
「幾何学を知らぬ者、くぐるべからず」との額が掲げられていたといいます。

ピタゴラス学派とは、古代ギリシアにおいて哲学者のピタゴラスによって創設されたとされる
一種の秘密結社であり、数学、音楽、哲学の研究を重んじていました。

ピタゴラス自身も古代オリエント世界の各地を旅し、エジプトで幾何学と宗教の密儀を学び、
フェニキアで算術と比率、カルディア人から天文学を学んだといわれています。

ピタゴラス学派が宗教秘密結社と言われるのは、
古代ギリシャからあるオルペウス教の影響であり、
オルペウス教とは、魂と肉体の二元論、転生、輪廻からの最終解脱(終末論)を教義とし、
秘儀的な入信儀式や禁欲的道徳律を定めていました。
これはマニ教、ゾロアスター教や道教と同じく二元論が基礎となっています。

わたしが考えるには、プラトンはピタゴラスに影響を受けたものの
彼が重視したのは幾何学であった。
つまり、多面的であり立体的思想であった。

しかし、ピタゴラスは二元論にあまりにも集中してしまい、
宇宙のすべては人間の主観ではなく数の法則に従うのであり、
数字と計算によって解明できるという思想を確立してしまった。
そしてその思想は宗教的になってしまい、
彼の思想を否定する無理数を見つけてしまった教団のメンバーは
死刑になったほどだそうです。

ちなみに、ピタゴラス教団は、古代世界で最も著名な数学の研究機関となり、
この学派は当時信じられていた宇宙の五元素を示す、五芒星を紋章としたそうです。
「宇宙の全ては数から成り立つ」と宣言したピタゴラス。
多分、ユダヤ密教である「カバラ」はこういったところから
アイデアを受けたのだと思います。
また、陰謀論でよく言われる数字の関係も五芒星を悪魔に仕立てたのも
こうしたものがオカルト的に発展していったのだと思います。

しかしピタゴラスが音程と数比の関係を発見したとされています。
ピタゴラスについてはこちらをクリック

さて、アカデメイアでは天文学、生物学、数学、政治学、哲学などが、
教師と生徒の問答によって対話的に教育が行われていきました。

プラトンの弟子であるアリストテレスは17歳の時にアカデメイアに入門し、
以後、プラトンが亡くなるまでの20年間学業生活を送ったそうです。
プラトン没後、甥のスペウシッポスが跡を継いで学頭となったため、
アリストテレスはアカデメイアを去り、彼のパトロンの金銭的協力を得て、
リュケイオン学園を開設します。

多分、学園同士の対立なんかもあったと察します。

ちなみに、日本の家紋もコンパスと定規で全て描けるそうです。

raffaello_santi.jpg
古代ギリシアの叡智の人の群『アテナイの学堂』ラファエロ・サンティオ

こうした古代からの知的サークルが中世、近代へと受け継がれ、
フリーメイソンの社交サークルへと発展していくことになったのであろう。
(またの機会に続く)


☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆

今日の一言英単語

『Street Smart』 ストリート・スマート

知恵。生きてくために機転を利かせた知恵。(口語)

日本語でも勉強から得る「知識」と
直観と独創性から刺激される「知恵」 と分けますが、
英語もそうで、 「Book Smarts(知識)」と
「Street Smarts(知恵)」の2種類があります。
人生は本の知識だけではダメで
実際の解決法などを考え出す「機転」が必要です。



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プロフィール

政治マニアっ子

Author:政治マニアっ子
埼玉県生まれ。高校留学を経て、ペンシルバニア州にある州立大学卒業後、ニューヨークに移動、バイヤーの職に就く。9.11テロ事件後、犬のブリーダー(シェパード)トレーナーとして起業の道を歩む。渡米歴20年以上。趣味は映画鑑賞、読書。特技は犬の心理を読むこと。語学は英語の他にスペイン語も。自分が本当に伝えたいことを伝えるブロガー。電子書籍も好評です。

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