ファベルジェのたまご

昨夜、日本語のできない11歳と7歳の息子たちが「Eggは日本語でた・ま・ごっていうんだよ、たまごっち!」とか言い出し始めた。どうやらYoutubeで学んだらしい。若干日本語の発音が怪しいが、まあまあ悪くはなかった。

さて、タマゴと言えばアメリカではイースター(復活祭)を思いうかべるが、ロシアにたまごばっかりつくった金細工師がいる。ピョートル・カール・ファベルジェだ。

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ちなみに美術品などは比較的原価が安いため、付加価値の部分で価格に差がつく商品特性であるゆえに資金の移動、ロンダリングに使われたりした。(ファベルジェのたまごたちは原価も十分あると思うが)

ファベルジェが制作した金製の卵型の飾り物のうち1885〜1893年に製作してロマノフ王朝のロシア皇帝アレクサンドル3世に収めた10個と、1916年までのニコライ2世が治世した時代に製作した40個は「インペリアル・イースター・エッグ」と称して珍重されている。

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金細工師ファベルジェが宝石で装飾した金製の卵型の飾り物のアイデアは霊鳥スィームルグの卵かもしれない。ミトラ教を追求していくと古代のイランの文化、スィームルグ文化に突き当たります。

このスィームルグ文化は今まで欧米学者に無視されてきました。理由はわかりませんが、もしかしたら世界の宗教の原点であるミトラがまさか、中東のイラン発祥とは白人優位の文明人は認めたくないのかもしれません。

現在「スィームルグ運動」といって、この文化を基礎にした真のイラン文化論を広め、今までの歪んだイラン観を見直す活動が展開しているそうです。どうやら、偽史を正していかなくてはいけないのは日本だけではないようです。

そしてこのスィームルグ文化は日本にとっても無視できません。何故ならこのイラン発祥のスィームルグ文化は広大な領域を覆り、
日本にも影響を与えたからです。

ミトラ教の復興運動を進める東方神智学の研究者である東條真人博士によると、古代イランの新年は3月21日、つまり春分の日(太陽が牡羊座0度に入る)であり、これが伝わって中国・朝鮮半島・日本では新年度が春に始まるようになったと考えられています。
ではミトラの生みの親、スィームルグ文化とは?

スィームルグ文化は地図を見ていただけばわかるように、ステップ・ルート、海のルート、そしてオアシス・ルートを通って、広大な領域に影響を与えています。

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そしてスィームルグ文化は主神ミトラを生み、ゾロアスター教、ズルワーン教、西方ミトラ教、東方ミトラ教(マニ教)、ボゴミール派/カタリ派、マズダク教/バーバク教/ホッラム教、ヤズダン教(孔雀派、天真派)、大乗仏教(弥勒信仰/浄土信仰/密教など)、弥勒教(中国)、ポン教(チベット)、イランおよびクルディスタンの民間伝承と、各地域に体系を変えて広がっていきます。

さてスィームルグ文化の世界観は真珠(ドゥル Durr)と呼ばれる世界卵です。この真珠の世界卵は水晶のような石あるいは金属でできた固い殻(天殻)につつまれ、卵の内部には大気と水と島がある。ミトラによる天地創造が始まると三倍に拡大した。この天殻の中が世界であり、天殻の外には何もない。ただの無が広がっている。

そしてこの世界卵を生んだのは霊鳥スィームルグである。また、卵を産んでかえしたので霊鳥スィームルグは聖なる母、大女神でもある。

あるとき、スィームルグは、世界卵を生んで、それが孵るようにとその中に自分の本質である友愛をこめた。世界卵は中空で、下半分には水が、上半分には生気が満ちていた。水面の中央には、世界の種子となる島が浮かんでいた。世界卵の中に光はなく、暗かった。すべてが静止しており、音も動きもなかった。

霊鳥スィームルグが世界卵を抱き続けると、世界卵が熟した。まず島の上にあらゆる植物の起源となる聖樹(リーワス)とあらゆる動物の起源となる聖牛(ガウ)が生まれた。さらに世界卵が熟したとき、スィームルグの愛が天殻を通って世界卵の中に入った。愛は世界卵の中に入ると、少年神ミトラになった。ミトラは世界の主にして、火と太陽の神である。千の耳と万の目を持つミトラは孔雀の尾羽を広げたようなオーラに包まれ静かにたたずんでいた。

最初期の神話では、この殻の中で天地創造がおこなわれ、世界が誕生するが、後の神話では、天殻が割れて世界創造が始まると考えられるようになった。

ミトラは島の中央に降り立つと、七名の神々が現れた。しかし、八番目の神は、うまくこの世に現れることができず無定形でうごめいていた。ミトラは彼らとの友情と世界の繁栄を願って、霊鳥スィームルグのために最初の供儀を執り行い、聖牛を献じ、聖樹を細かく砕いてしぼり樹液を取り出した。最後に、八番目の兄弟を正しい姿に育てるために、供儀に付した。ミトラが供儀をおこなうと、島の上空に明るく燃える火、すなわち太陽が現れた。太陽が昇るにつれ世界卵も大きくなり、ついに三倍の大きさになった。天空の大きさが定まると、ミトラは無数の星をつくって天上に飾った。ミトラの執り行った供儀により、島と海も大きく広がり、三倍の大きさになった。ミトラは七名の神々の一人に太陽をあずけると、残りの六名に自分の真似をして、月、水星、金星、火星、木星、土星をつくるように言った。彼らがこれらの惑星をつくり終わると、ミトラは星々に合図を送った。すると、星々は運行を始めた。星々の回転にともなって、時間が生まれ、昼と夜、春夏秋冬が生まれた。

バビロニア占星術は、前一八〇〇年から前八〇〇年頃にかけて、天文学・数学とともに急速に発達し、暦のなかに七曜が使われるようになった。それゆえ、七曜神とその占星術的な意味づけは、この時期に固まったと考えられる。

また、スィームルグ文化/ミトラ教にアダムとエヴァは存在しない。(西方ミトラ教も)アダムとエヴァの神話を本格的に取り入れたのは、東方ミトラ教(マニ教)である。

アダムとエヴァは、ミトラの美しい姿を見たアーリマン(雄ライオン神)とアズ(雌ライオン神)がつくりだした泥人形である。アーリマンとアズが、泥人形をミトラそっくりにしたのは、光のかけらがそれに満足していつまでも泥人形の中にとどまりたいという思いをいだかせるためである。ゾロアスター教、ズルワーン教では、アダムとエヴァは登場しないが、この二人に相当する最初の男女としてマトローとマトローヤオが登場する。

アダムもエヴァも、ともにセム語である。アダムは赤土を意味するところから、しばしば泥人形と呼ばれる。エヴァはセム語で生命を意味する。

最初、みないっしょに住んでいたが、時が経つにつれ、住み分けをするようになった。あるものは天界、地下世界(冥界)、地上に住むようになった。

七曜神は千年(天の一日)を一周期として、交代で世界を統治した。星々の運行に導かれて、霊魂(明性)は輪廻転生をくりかえすようになった。星々の運行がつくりだす春夏秋冬と昼夜の交代のもとで、生き物は成長と死滅をくりかえした。霊魂が天上の階段を下って地上に降りるとき、七曜神はさまざまな特質を分け与えた。世界周期の終わりが来たとき、母なる霊鳥スィームルグのもとに帰入する。

参考:ペルアシ神話大辞典 東條真人,Ph.D

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「大聖堂の卵」の持ち主、美術史学者でドイツ・ハプスブルク朝皇帝の子孫に当たるゲーザ・フォン・ハプスブルク氏
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