エリコの城壁が崩れる時
昨日はウエストポイントでアメリカンフットボールの陸海軍対抗戦があったようで、トランプ大統領はゲームに出席し、コイントスを行った。そしてジョン・ラトクリフ国家情報長官、クリス・ミラー国防長官代行、カッシュ・パテル参謀総長もトランプ大統領に同行していた。来週はジョン・ラトクリフ国家情報長官が会見を行うようだから興味深い顔ぞろえだ。もしかしたら全く動かないウィリアム・バー司法長官とは対照的な会見になるかもしれない。だから10日前、「バー司法長官への信頼を維持しているか」と記者団に質問された時、トランプ大統領は「今から数週間後に聞いてほしい」と答えたのだろう。
この「March for Trump」は12月14日ごろまで続くようだ。もちろん「Stop the Steal(政権を盗むのを止めろ)」や「MAGA(米国を再び偉大に)」を掲げるスローガンもあるが、このデモ行進を「エリコの行進」とも呼んでいる。
エリコの戦いは旧約聖書のヨシュア記6章に出てくる。城塞都市エリコは城門を閉ざしイスラエルの民はエリコの城壁の周りを一日一周回るよう神に命じられ、6日間城壁の周りをまわるが何も起こらなかった。しかし諦めずに7日目に7周回り、民がときの声をあげ角笛を吹き鳴らすと強靭な城壁は崩れ落ちた。だからこのMarch for Trumpをエリコの戦いとして人々は7日目(12月14日ごろ)にワシントンDCの城壁が崩れ落ちることを願って今は集会やデモ行進に参加しているのだ。
何故これほどまでにアメリカ人は聖書を引き合いにだすのか日本人には理解しにくいかもしれないが、歴史はアメリカ建国の時までさかのぼると背景が見えてくる。なぜならばアメリカの建国の父たちは聖書をベースにして憲法を作成したからだ。合衆国憲法の7割以上が聖書を参考にして作成されたと言われている。だから大統領就任式で大統領は聖書の上に手を乗せて「合衆国憲法を維持、保護、擁護することを厳粛に誓う」と就任宣誓するのだ。
リベラル派は不思議な発言の多いシドニー・パウエル弁護士を馬鹿にしているが、彼女がテレビのインタビューで「これは聖書に書かれているようになるわ」と語った意味は、「これは憲法に書かれているようになるわ」の比喩であろう。彼女はれっきとした弁護士である。またリン・ウッド弁護士が1週間前にジョージア州で「1776年を再び!」と叫んだのも、フリーメイソンたちに国家を奪還するように語りかけていたのだろう。アメリカはフリーメイソンたちによって建国された国だ。だからリン・ウッド氏が「これは光と闇の戦いだ」といったグノーシス的な方向に持っていこうとする動きももうなずけるものがある。ニュート・ギングリッチ元下院議長が共和党であるにもかかわらず、リン・ウッド氏のことを「やりすぎ」と非難するのは、彼はカトリック教徒だからであり、彼の妻カリスタ・ギングリッチ氏は在バチカン米国大使である。
トランプ大統領はこの間、「我々の戦いは始まったばかりだ」とツイートした。司法長官が動かないことは残念だが、財務長官、国務長官、国防長官代行、国家情報長官、国土安全保障長官代行がこれから動くだろう。来週あたりにエリコの城壁が崩れることを願いたい。
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