ローズガーデン戦略

昨日が共和党全国大会最終日だった。メラニア大統領夫人によって新しく改装されたホワイトハウスのローズガーデンから最後にトランプ大統領がスピーチを行い、共和党全国大会は閉幕した。

このローズガーデンは歴史もある。地図を見てもらうとわかるが、ローズガーデンはホワイトハウスの敷地内にある庭の一つで、レジデンスとウエストウイングに囲まれ、天気の良い日には重要な法案や条約の調印式、記者会見、イベント開催などが行われる場所だ。

エグゼクティヴ・レジデンス
ホワイトハウスの中央にあり、メインハウスとも呼ばれる。地階から3階まである建物で、大統領と家族が暮らす公邸。外国首脳や要人との会談、条約や重要法案の調印式、重要な記者会見、晩餐会やレセプションなどの公的な行事が行われる。

ウエストウイング
「オーバルオフィス(楕円形のオフィス)」と呼ばれる大統領執務室や閣議室、国家安全保障会議室、副大統領の部屋、首席補佐官、大統領補佐官、報道官などの上級スタッフのオフィスなどがある。地下にはアメリカ軍や関係機関と情報連携して、国内外の有事について議論するシチュエーションルームがある。

このローズガーデンはもともとエディス・ルーズベルト夫人(テディ・ルーズベルト大統領の妻)が企画したらしいが、完成したのはウィリアム・タフト大統領時代だ。そのあと、もちろん何度か手を付け加えただろうが、最後に大規模な改装を行ったのはジョン・F・ケネディ大統領時代であり、当時園芸家で慈善家だったレイチェル・メロン氏が手掛けた。

今回の7月末から行われたメラニア夫人によるローズガーデンの改装工事は特に大きく変化はしていない。パッと見て唯一大きく変化した部分と言ったらウエストコロネードに沿って植えてあった木がなくなったぐらいだ。反トランプメディアは「メラニア夫人が木を引っこ抜いた!」と怒りをあらわにしているが(笑)、木がなくなったことによってウエストコロネードがよく見えて、エディス・ルーズベルト夫人が望んだ「コロニアル様式」があらわになったから良いアイデアだと思う。(ホワイトハウスは典型的なコロニアル様式)もちろん植物もローズガーデンと言われるだけあってバラを中心にして入れ替えてある。

さて、そんな新しく改装されたローズガーデンで閉幕した共和党全国大会だが、アメリカ時間で一夜明けたら、日本では安倍総理が記者会見で体調悪化を理由に辞任すると表明したニュースが流れた。まるで情勢がアメリカと入れ違いだ。

まず一言、言わせてください。

安倍総理、お疲れさまでした。周りは敵ばかりで、よく8年近く頑張ってくださいました。もちろんいくつか中途半端になってしまった政策はありますが、集団的自衛権行使を認めたことにより、日本の安全保障政策が大きな転換点を迎えたのは安倍総理の業績です。

さて、安倍首相は臨時代理を置かずに後任の首相が選出されるまで執務に当たるとメディアに伝えた。それにしても今まで「反アベ」を商売標的にして生きてきた(寄生してきた)人たちはこれから何を心の拠り所にして批判対象を見つけ出すのだろうか?寄生虫は寄生するホストがいないと生きていけないのだ。もちろん今の野党も「安倍批判」だけしか能がないという寄生虫のようなものだから不健全な野党なのである。

今回の日本の安倍総理辞任のニュースとローズガーデン改装を合わせて自分なりに考えると、「戦略を変更した」という感じがする。
つまりローズガーデンの改装はリベラルが嘆くような「悲劇」ではなく、「戦略変更」の意思表示である。そして安倍首相の辞任によって日本の戦略も「改装」されるのだろう。

訂正(8月31日):
ローズガーデンから演説を行ったのはメラニア夫人でした。トランプ大統領の最終日の演説はホワイトハウス南側前です。
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Comment

名無しさん

安倍総理の、内外の政敵に囲まれながらの連続8年在職は、憲政史上ほとんど奇跡的な出来事でした。安倍総理の言動を観ていて感じることは、権力を長く維持することこそ、周囲を変えていく力の源ということです。
「政治の要諦は、時間をかけて人々を説得していくこと」です。 安倍総理の戦術は「匍匐前進」と呼ばれたように、無理はしないが、前進できるときは半歩でも前へ出るというものでした。その積み重ねの8年で、日本人の意識は相当に変わりました。
同盟国米国が、中共と全面対決するに至り、いまそのショックが日本に「戦後レジームからの脱却」を実現させるチャンスを与えています。パラダイムシフトを起こすことによって、「戦後日本」と決別するチャンスです。
いま日本と取るべき道はたった一つだけです。唯一米国との紐帯を維持し、自由主義世界を護ることです。

2020.08.30 Sun 00:54