「米国民の雇用確保」のため、一部就労ビザ発給停止

「2019年新型コロナウイルス大流行後の経済回復期における米国労働市場へのリスクとなる移民及び非移民の入国の停止」に関する大統領布告の発表

6月22日、トランプ大統領は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた米国民の雇用を確保するために、非移民ビザによる米国への入国の制限に関する大統領令を公布した。

この大統領令は6月24日午前12時から12月31日までの間有効だが、必要により延長される可能性もある。

対象の就労ビザ(帯同する方も含む)

H-1BまたはH-2Bビザ(いわゆる就労ビザ)
Jビザ(交流訪問者ビザ)
Lビザ(企業内転勤・駐在員ビザ)

まず、H-1Bビザだが、これは一般的な就労ビザであり、アメリカの4年生大学を卒業し、手順を踏んで就職すれば企業がビザのスポンサーになることで、就労ビザは降りる。または優秀な人材を外国から連れてくる場合も、H-1Bを申請するだろう。とくにインド人IT技術者などが多く利用している。

しかし、このH-1Bビザの発給を一時期停止することになると、今年の5月にアメリカの大学を卒業した外国人留学生は、アメリカに残って就職することが困難になるだろう。

日本の駐在員が利用するビザはLビザだ。一応、ビザの制限期間は今年いっぱいまでだが、先が不透明な部分もある。ビザを取得して米国に転勤するのは当面難しくなるから日本企業にも影響する。

基本的にアメリカ国外にいる場合に上記の制限が適用される。すでに米国内にいてビザを取得済みの人は大丈夫だ。しかし就労ビザは今年いっぱいは発給停止しているからアメリカ国内に滞在中でも有効な非移民ビザがなければ影響を受ける。

食品サプライチェーンに不可欠な一時的な労働者は例外。これは季節農業労働者ビザ(H-2Aビザ)だが、農業利権が絡んでいるからだろう。また大学教授や学者、医学研究者など、(新型コロナ感染者の治療に従事する場合も含む)入国することが国益にかなうと判断された外国人も対象外だ。

これから6か月間、外国人に就労ビザの発給を停止することが、トランプ大統領が主張する「米国民の雇用確保」につながるかは不透明だ。これはあくまでも11月に向けた大統領選を睨んでのことだろう。

しかし、H-1Bビザも現在のように年間発給上限に達したら抽選制度を行うのではなく、給与の高い順に割り当てる制度へと見直すらしい。また新型コロナの影響ですでにビザの申請書の受領が遅れているから2021年になっても新規の就労ビザ申請の裁決も遅延になるだろう。

これから「アメリカの大学を卒業して、そのまま就職」といったことは外国人には難い話になりそうだ。
関連記事
スポンサーサイト



Comment