検査数増は医療崩壊を引き起こすのか?
実際に、韓国では宗教集会で集団感染が起きた後、そういった傾向にあったと思う。しかし韓国は今では死者の数も落ち着いて、
アメリカやイギリスは韓国を比較モデルとして参考にしている。
韓国では一時期死亡者が急増したが、全国16ヵ所に軽症者を収容できる専用施設を緊急建設し、重篤患者のベッドを確保したから今は落ち着いている。
日本は極端に数が低いので参考にならない。原因は検査数を低く抑えているからだと誰でもわかることだが、日本のソーシャルメディアを覗くと「検査しろ派」と「するな派」がいるみたいだ。
「するな派」は、検査を増やせば陽性者が急増して医療崩壊を起こすからだと主張している。ところがコロナ感染は検査数とは関係なく拡大しているのは確かだろう。この際、感染者数はあまり関係ないように思う。
それよりも死者を出さないように努めることが大事ではないか?つまり重症者を軽症者から拾い上げて治療することだ。そしてこの集中治療するキャパは限られているし、人工呼吸器と言っても、24時間体制で患者を診なくてはならず、こういう間質性肺炎の場合、圧をかけ続けると肺が損傷するので医者の腕が問われるそうだ。
イタリアで死亡者が多いのはその経験が問われる医師が不足してるのだろう。
ちなみに昔、知人にユダヤ人のお医者さんがいたが、アメリカの医師国家試験は難しいからって彼はわざわざイタリアに行って試験を受けてお医者さんになったらしい。
そんなわけで今、イタリアは医師不足だから医学生を試験免除で現場に出させているとのこと。どうりで中国、キューバ、ロシアから医師団がイタリアに駆けつけているはずだ。ドイツもイタリアの重体患者を診ているらしい。(ドイツは少し余裕があるのだろう)
つまり検査数増が医療崩壊を引き起こすのではなく、重篤の患者が急増するから医療現場が崩壊するのだ。
そして重篤者を見つけ出すにはやはり検査しかない。そして感染者の隔離は基本だ。
医療現場だってなりふり構わず希望者全員に検査するわけではない。中国だって希望者全員に検査したわけでもない。医師が「感染の疑いあり」と少しでも診断した患者やその患者が濃厚接触した人たちを速やかに検査できる態勢を整えればよいのではないか?
一応、感染者の中でも8割は軽症、または無症状と言われている。その場合は自宅療養か、軽症者専門用施設に隔離させる。つまり必要なのは軽症者専門用施設の準備だ。そう、軽症者を収容できる大きなスペースが必要となる。
ニューヨークでもハドソン川沿いのジャビッツ・センターなどが軽症者の隔離施設になっている。(ジャビッツ・センターとはニューヨーク最大規模のコンベンションセンター)
ロシアでも森の中に専用病院を緊急建設しているらしいし、中国武漢では10日で2つの大きな病棟を建設した。火神山と雷神山でたぶん重症者と軽症者を分けたのだろう。
東京都は今、感染者の数が増えている。小池百合子知事が27日の定例会見で、東京五輪の選手村を軽症患者の一時滞在施設に活用できるか検討する方針を明らかにしたらしい。つまり日本政府も軽症患者を隔離させる収容施設が重要なのは知っている。
これが医療崩壊するか、しないかのカギになるだろう。
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