コロナで経済成長というメッキがはがれる

コロナ感染への影響を受けた株式市場の株価の落下はなんと2008年の金融危機以来の最悪の規模だったそうだ。

そこで安倍総理が2月29日に記者会見を開いて、第二弾の緊急対応策を10日程度でまとめると表明した。

FRBも昨年の終わりごろからチビチビと金融緩和らしいものをやっていたが、さすがに今回はドカンとやらざる得なくなった。

週が明けると今まで高かったゴールドの値段が落下した。どこからと先物で値段を操作して下げたのだろう。

ところが金の安価は長く続かなかった。すでに値段は上昇し、戻りつつある。つまり、人々は金融政策で対応しようとしている政府をすでに信用していない。金融バブルの崩壊が来ることを予想しているのだ。

2008年のリーマンショックの時の金融システムの崩壊は政府が救済した。リーマンショックは融資に対する損失額があまりにも大きすぎて政府が公的資金を投入しAIGの代位弁済の資金を貸し出すしか術がなかった。

罪のない国民の税金によって金融経済の失敗を援助したのだが、この米国債が忽然と消えてしまうことを考えると結局のところ国民にも影響する。また当時、米国債の保有者は中国が多く占めていた。

今回のコロナによる経済打撃は金融以外に実体経済にも影響が出ている。マスク生産に支障が起き、供給不足が見られ、一時期消費者がパニックに陥った。お隣が困ってるからって二階さんが大量にマスクを中国に寄付したそうだが、マスクの生産の8割は中国だそうだ。

マスクは身近な例だが、世界の工場と言われる中国の経済停滞が、世界経済に大きな打撃を与えているのは確かだ。今回をきっかけに世界はサプライチェーンを見直さなければならないだろう。(サプライチェーン=原材料の調達から生産の管理、物流や販売までの過程)

そして今までが過剰供給気味であったことも認めるべきだ。借金をしてまでも供給するとはもはや世紀末。今回のことで過剰な生産を改め、流通を減少させるなど見直すべきだ。流通を見直せば石油への需要が大幅に減少することにも気づく。世界の石油の生産量はすでにピークを迎えていると聞く。

またコロナ感染を抑えるために各国は国境閉鎖に追い込まれることになりそうだ。

これからの世界経済はグローバルではなく、国境、または地域的な経済圏が出来上がってきている。その国境・地域経済を早く進めるためにコロナは活動している。

今までは金利の繰り返しが経済規模を拡大し、借金をしてまでも経済成長を求め、その借金を払うためにさらに借金が創り出されるシステムを経済成長と呼んだ。つまり成長することを前提に現在の経済システムは成立していた。

私たちは今、限界というターニングポイントに限りなく近い場所にいる。経済成長が限界に近づいた時、犠牲を払いながらさらなる経済の成長を求めるのか?それとも人間としての真の豊かさを求めるのか?いよいよ経済成長というメッキがはがされる。
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